「お墓を決めること」は、非常に重要で時間のかかるものです。
お墓を決めるときには、
- ・どんな埋葬方法にするか
- ・どんな墓石(シンボル)を利用するか
- ・墓石の種類はどうするか
- ・どこが運営している霊園にするか
など、決めなければならないことがたくさんあります。
ここではこの4点に着目し、それぞれの種類の違いについて解説していきます。
目次
お墓の種類を知る前段階として、「どのような埋葬方法にするかを考える」というものがあります。
霊園の土地を確保して墓石を置いて、その下にご遺骨を納めるやり方です。
もっとも一般的な方法であり、もっとも精神的抵抗感が少ない埋葬方法でもあります。
また、既にお墓がある場合はあまりお金がかかりません。
納骨堂にはいろいろなタイプがあります。
墓石タイプのものもあればロッカータイプのもの、仏壇タイプのものもあります。
いずれの場合でも、室内で弔っていくことになるのでお参りをしやすいのがメリットです。
自然のなかに埋葬する方法です。
樹木葬は、里山型と呼ばれるものと公園型と呼ばれるものがあり、いずれの場合も木の下に眠るかたちをとります。
対して海洋葬の場合は、海に散骨します。
どちらの場合もご遺骨を再度取り出すことは基本的には不可能で(樹木葬の場合は、一部のみ例外があります)改葬はできませんが、自然のなかに還ることができるということで人気を博しています。
「どんな墓石を利用するか」も重要です。
この種類について解説していきます。
一般的なお墓を利用します。
墓地を借り上げ、そこに墓石を置くかたちです。
和型や洋型がありますが、私たちが「お墓」と聞いてまず真っ先にイメージするのはこのかたちでしょう。
ほかの人のご遺骨と一緒に埋葬されるかたちです。
費用が非常に安く50000円程度で埋葬することもできます、また、霊園の管理者が管理をしていってくれるため、お墓の手入れの必要がありません。
永代供養のかたちのうちのひとつです。
最初は一般的なお墓で眠り、三十三回忌などのタイミングで合葬墓に移ります。
祭祀継承者がいなくても無縁仏にならずに済むかたちです。
ただこれは、「最初にお墓を買う」というステップが必要であるため、お金はかかります。
「お墓を借りる」という選択肢です。
期間がきたらお墓を返却し、ご遺骨は合葬墓に移ります。
「どれくらいの期間を目安とするか」はそれぞれのプランで違いますが、10年をひとつの区切りとするところが多いようです。
レンタル費用の総額が、お墓の購入額を上回る可能性もあるので注意してください。
樹木葬のときに積極的に用いられるかたちです。
シンボルツリーの場合も、「合葬」の概念はあります。
樹木葬であるため、必然的に永代供養のかたちをとることになります。
現在は墓石の種類(デザイン)もさまざまです。
例えば下記のようなものがあります。
また、下記のいずれの場合においても、彫刻などは比較的自由に行えます。
長方形のお墓で、もっとも一般的な形をとります。
非常になじみ深いお墓の種類であり、多くの人に受け入れられています。
特に寺院墓地の場合は、この和型のお墓だと周りとの調和もとれておすすめです。
横に長い形をしていることが多く、プレートタイプやオルガンタイプも見受けられます。
洋風のデザインのお墓であり、近年注目を浴びています。
伝統的に、花などが彫り込まれることが多いようです。
墓石自体が楽器の形や本の形をしているものもあります。
それは「デザイン墓石」に分類されます。
故人の好きだったアイテムでお墓を作ることができるので、非常にオリジナリティに富んだ墓石になります。
「故人らしさ」をいつまでもとどめておきたい……と考えるご家族にとっては、このデザイン墓石が第一の選択肢となるでしょう。
ただしデザイン墓石は、霊園によって制限がある場合もあるので事前に確認が必要です。
最後に、お墓の運営団体の種類について紹介していきます。
もっとも一般的で、イメージしやすいのが「寺院墓地」です。
その名前の通り、寺院が管理している墓地です。
利用するためにはそこの寺の檀家にならなければならないケースが多いこと、宗教・宗派に制限がある場合が多いことなどから使いにくいと感じる人もいますが、仏様の近くで眠ることができるのは大きなメリットです。
また、檀家になることでさまざまな相談事にものってもらいやすくなります。
毎朝毎夕でお経を読んでもらえるため、永代「供養」を望む人には向いています。
民間が運営する墓地のことで、「民営墓地」とも呼ばれます。
比較的宗教・宗派には寛大ですが、宗教法人が行っているところもあるので事前に確認してください。
施設や設備が整っていることが多く、バリアフリー化もされていて使いやすいところが多いのが特徴です。
また霊園の雰囲気も個性が現れやすいため、自分の希望に沿った場所を選びやすくなります。
反面、経営破綻のリスクから逃れきることができないというデメリットがあります。
ただし、民間墓地が経営破綻するのは極めて珍しいレアケースだといえます。
地方自治体が管轄する墓地であり、宗教・宗派問わずに入ることができるのが魅力です。
また一部の例外はあるものの、基本的には値段が安く、金銭面の負担が少ないのもメリットです。
地方自治体が運営しているので、経済的破綻リスクがほぼ0であるという魅力もあります。
ただその分、設備が整っていないことも多いといえます。
また人気の公営墓地の場合は抽選などになることもあります。
このように、「お墓の種類」といっても、「どのようにカテゴライズするか」によって変わってきます。
これをひとつずつ決めていかねばなりません。