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「お焚き上げ」には2つの意味がある お焚き上げについて解説

仏教の考え方・儀式のひとつとして、「お焚き上げ」があります。
この「お焚き上げ」は、時に「思い出などを自分の中で消化・昇華する」という意味でも使われますが、仏教用語・神道用語として使う場合はまた少し違う意味を持ちます。

今回はこの「お焚き上げ」を取り上げつつ、葬送儀礼としてのお焚き上げについても触れていきます。

お焚き上げ

お焚き上げの意味とは、「宗教施設で思い出のある品物などを燃やしてもらうこと」

お焚き上げとは、ごく簡単に言うのであれば、「思い出などのこもっている品物を、宗教施設に預けて燃やしてもらうこと」をいいます。
神社や寺院に依頼すれば、宗教者の手によってこの「お焚き上げ」をしてもらえます。

「お焚き上げ」は、一般的な「焼却処分」とはまったく意味合いが異なるものです。
お焚き上げにふさわしいものは、写真や人形といった本人が写っているものや大切にしていたもの、それからだるまなどの縁起物、お守りや神棚や仏壇といった神仏が宿るものです。
人形でも、「特段思い入れがない人形」「もらったけれどすぐに飽きてしまった人形」などは原則として対象にはなりません。
「自分や家族が大切にしていて、そのため捨てることが忍びないもの」を預けてお焚き上げにしてもらうのです。

ちなみにお守りや人形、お札などの場合は、個々人でお焚き上げを依頼しなくても、お寺(神社)で定期的にお焚き上げを行う旨を告知していることもあります。
「去年買ったお札を納めることができる箱」が置かれているのを、新年の初詣で見たことのある人もいることでしょう。

なお、どれだけ思いが詰まったものであっても、ガラス製品や家電製品、陶器などの燃え残るものはお焚き上げにすることはできません。
また、燃やすことで有害物質が出るものや、火にかけることで爆発を起こしてしまう可能性があるものなども、当然お焚き上げに出すことはできません。

ちなみに「合同でお焚き上げを行う」という場合に比べ、個別でお焚き上げを行う場合は必要なお布施の金額は高くなります。

葬送儀礼としての「お焚き上げ」について~遺品をお焚き上げに出す

この「お焚き上げ」は、葬送儀礼とも深い関わりがあります。

人は、亡くなるときに大量の物を残していきます。
終活あるいは高齢者施設への入居に伴い荷物を処分していたとしても、生きていればさまざまな物に囲まれることになります。
このため、人が亡くなった後には、必ず「遺品整理」の工程が挟まれることになります。

基本的に、遺品を処分する際には地方自治体の定める「ゴミの処分方法」に従うことになります。
「遺品だから特別な処理をしなければならない」などのようなことはありません。
燃えるゴミは燃えるゴミへ、不燃物は不燃物として分けて出していきます。
たとえば、「ゴミ袋にしようと思って溜めていたビニール袋」などのようなものは、ちゅうちょなく捨てられるでしょう。
また、家電製品や家具については定められた金額を払って処分するか、細かくバラしてゴミに出すか、リサイクルショップに引き取ってもらうかなどの処分方法を検討することになります。
洋服なども、特に思い入れのあるもの以外は処分してしまえばよいでしょう。

ただ「本人が大切にしていた人形がある」「もう絶対に使わないものだけれど、捨てるには忍びない」などの処分に困るものが出てくることがあります。
このような場合は、

  • 棺に入れて一緒に持っていってもらう
  • お焚き上げにする
  • 欲しいと思ってくれる人に引き取ってもらう

の3つのパターンのいずれかを選択することになります。
棺に入れられるものには制約がありますし、欲しいと思う人も特にいない……などの場合は、お焚き上げが選択されます。

なお「本人の思い入れがあるもの」のなかで家族がお焚き上げに出せるのは、あくまで「資産価値のないもの」です。
宝石類などの資産価値のあるものは、勝手に処分してはいけません。
これらは相続財産の一部として扱われるため、相続人全員で協議しなければなりません。

仏壇のお焚き上げについて~閉眼供養とセットで行う

  • 「自分は無神論者である」
  • 「実家に大きな仏壇があったが、今の家では引き取るスペースがない」
  • 「祭祀継承者がいないので、自分の代で弔いを最後にしたい」
  • 「代々仏壇を受け継いできたが、200年以上前の御位牌などもあり、どうしたものかと迷っている」

などのような悩みを抱える人もいます。

仏壇は御位牌を納める場所ですし、御位牌には魂が宿っているとされています。
仏具でもあるこれらも、処分する際は細かく砕くなどしてゴミに出すことはできます。
ただ「なんとなく申し訳ない気持ちになる」「さすがに仏具をゴミとして出すのには抵抗がある」と考える人もいるでしょう。
そのような人は、まずは「魂抜き」を行います。
これは「閉眼供養」「抜魂」ともいわれる儀式であり、御位牌などから魂を抜く儀式をいいます(宗教・宗派によって多少考え方や言い方が異なります)。

閉眼供養を行った仏壇や位牌は、ただの「物品」になるためゴミとして処分することができるようになります。

もう1つの考え方として、「お焚き上げ」があります。
お焚き上げを行う際にも閉眼供養が行われることが基本となりますが、この方法をとることで「ゴミに出す」という工程をカットすることができます。
「閉眼供養は行ったけれど、それでもゴミに出すのは忍びない」と考える人などは、この方法をとるとよいでしょう。

仏壇のお焚き上げは、自分たちで寺院に仏壇を持ち込むことで行えます。
また、引き取りに来てもらうこともできます。
ただこれは少し手間ですから、仏壇専門店にお願いしてしまうのもひとつの手です。
仏壇専門店に連絡をして、「仏壇のお焚き上げをしたい」といえば、日時を決めて仏壇の運び出しからやってくれます。
運び出された仏壇は、業者側の依頼で僧侶などが閉眼供養を行い、その後にお焚き上げされます。

このように、「お焚き上げ」は葬送儀礼と深く関わってくるものです。
「捨てるには忍びない、しかし処分せずに手元に置いておくことは難しい品物」に対して敬意を表し、労わる気持ちでもって行われる「お焚き上げ」は、古くから受け継がれてきた文化だといえるでしょう。

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