生前整理とは、元気なうちに身の回りのものをある程度片付けておくことをいいます。
反対言葉は、人が亡くなった後に残された遺族が行う遺品整理です。
生前整理をする大きな目的は、残された遺族の負担を少しでも減らすことです。
亡くなった後にする遺品整理は想像以上に大変であり、特に一人暮らしの高齢者などの莫大な量の遺品整理はとても時間も体力も使ってしまいます。
物だけではなく、土地や家、有権証券、宝石などの財産もしっかりと整理しましょう。
生前整理は何歳ごろから始めるべきかと迷う方もいますが、結論から言うと、特に始める時期の制限はありません。
生前整理は、50代以降から始めるのが一般的だと言われています。
50歳になると着ていた服や趣味などが変わったり、結婚している方だと子育てもひと段落したりする時期でもあります。
半世紀を迎えたことで、自分の将来を見直す時期でもあります。
このような理由から50代を超えて生前整理を始める方が多いのかもしれません。
しかし、近頃は20代、30代の方も自ら必要性や目的を見つけて生前整理を行っています。
生前整理は高齢の方が行うイメージがありますが、若い年齢でも突然の病気や事故など、誰しもがいつ亡くなるかは予想できません。
また、身内の高齢者が亡くなったことによって、自分も若いうちから生前整理をしようと思う人も増えているのです。
その生前整理のひとつとして、自分のお墓のことを考えてみてはいかがでしょうか。
生前整理をする上で、お墓を作ることは重大な決め事です。
お墓は、まず一番はじめに種類を決めます。
お墓には様々な種類があります。
家墓や個人墓、両家墓、共同墓、永代供養などが主なもので、それぞれの遺族が大切にしたいものや埋葬方法などが違うので、自分たちにあったものを選ぶ必要があります。
お墓の種類の方向性が固まってきたら、次は墓地選びです。
墓地を選ぶにあたって大切なポイントをここでは3点紹介します。
- 交通アクセス
- 周辺の土地環境
- 墓地の価格やその他の費用
お墓参りをするのは身内だけではなく、故人の友人など遠方から来られる方もたくさんいます。
もしもお墓が交通の便が不便なところにあると、お墓参りに行きたくても足を運びにくいですよね。
また、交通アクセス以外にも、マイカーを利用する時を考えて、駐車場があるのかということも大切なポイントです。
もし墓地に送迎バスなどがあれば、なおのこと良いでしょう。
土地の水はけの良し悪しでお墓の手入れがだいぶ変わってきます。
また、近くに樹木がたくさんあると、後々に地面が隆起したり、落ち葉の掃除が頻繁に必要になったりすることがあります。
ほとんどのお墓には、墓石の料金の他に土地の使用料とお墓の管理費が必要になります。
墓地を選ぶ上で、残された遺族に金銭面で負担をかけないためにも、しっかりと価格や費用に関しては確認するようにしましょう。
このようなポイントを押さえて墓地選びをするようにしましょう。
まずは墓石の大枠を決めるために、墓石のデザインを決めましょう。
日本で多く使われているのは、和型墓石です。
よくお墓に〇〇家乃墓と書いてあり、江戸時代に普及したよく見かける四角くて縦に長いお墓を指します。
洋型暮石は和型墓石とは異なり、四角く洋風なデザインなのが特徴的です。
また、自由なデザインで自由に好きな文字や言葉を彫ることができます。
墓石の種類は数え切れないほどあります。
大きく分けると、花崗岩や閃緑岩、斑レイ岩、安山岩の四種類に分けられます。
岩によって産地や値段、墓石の性質など様々なので、自分の理想とするお墓に近いものを選びましょう。
お墓は、数年数十年も後世に引き継がれていくものなので、一番のポイントは耐久性がある墓石かということです。
ただ完成したあとの美しさが優れていればよいというわけではなく、どんな気候であれ、それに耐えなければなりません。
よって、風化に強いかを判断すべきなのです。
風化に強い石とは、硬く耐圧強度が高く、光沢があって水分をはじき、岩石の成分が密であるという3つの性質を備えたものです。
ここまでご紹介した通り、生前整理とは、残された遺族のためにも、元気なうちに身の回りの様々なものを整理することを指します。
死期というのは、誰も予想できるものではありません。
人が亡くなった後の遺品整理は、思いのほか様々な手続きがあるので非常に労力を使います。
この記事をきっかけに、元気なうちにお墓選びをはじめとする生前整理を考えてみてはいかがでしょうか。