普段目にするお墓は、どれも灰色で同じ様な色と形だと思っていませんか?
同じように見える墓石にも、実は様々な種類があり特性も様々です。
そこで墓石に使われる国産石材の種類と特徴について見ていきます。
日本では、全国各地で墓石用の石材の採掘を行っており、主な採掘地として有名なのは、茨城県・香川県・岡山県・愛媛県などです。
国産の石材は高級品と言われ、外国産石材に比べて高額になることが多いです。
国産石材の特徴として一番にあげられるのは、品質が良いという点です。
後ほど詳しくご紹介しますが、日本で採掘される墓石は高品質で劣化しにくい種類の石が多いので、世界的に見ても高級品質の石材と言われています。
また日本の卓越した採掘技能や加工スキルによってその分耐久性が良くなりますし、見た目にも美しい石材となります。
それでは、日本で産出される主な石材の種類をご紹介します。
御影石とは花崗岩の一種ですが、神戸市の御影で産出されていたことから御影石と呼ばれるようになりました。
御影石は加工しにくい程の硬さがあり、研磨にはダイヤモンドを使用します。風化に強いため耐久性があり、日本のお墓の大部分は御影石で作られています。
御影石は産地によって様々な種類があり、含まれる成分によって色や模様が異なります。
色味によって、黒御影石・白御影石・赤御影石・青御影石の4つに分類することができます。
大島石は代表的な御影石の一つで、愛媛県でとれる石材です。
希少価値が高く国産石材の中でも最高級品と言われています。
大島石の色味は少し青みがかった白御影で、その美しさから墓石としてだけでなく建築物にも利用されており、国会議事堂や赤坂離宮にも大島石が使われています。
庵治石も白御影石の一つで、香川県で採掘される日本産御影石のダイヤモンドとも呼ばれる超高級石材です。
世界一高価な石材とも言われます。
なぜこれ程高価なのかというと、採掘した原石から墓石として利用できるのは約1%と希少価値がとても高いためです。
また水晶と同じぐらいの硬度があるため、加工に高度なスキルが必要となり、その分価格も高くなります。
細かい石目が特徴で吸水性が低く、耐久性にすぐれています。
真壁石は茨木県で採掘されている白系統の御影石で、青味が強いものほど高級品とされます。
産出量が多く価格もそこまで高価ではないので、日本全国の墓石としてよく利用されます。
中山石は国産の黒御影石の高級品で、福島県が産地となります。
黒系の墓石といえば中国やインド産が多いのですが、国産で黒御影を選ぶ場合は、中山石が代表的な石材となります。
年数が経っても色あせすることがなく、長い時間美しさを保つことができます。
みなさんご存知の大理石は、石灰岩がマグマの熱によって再結晶した変成岩の一つです。
柔らかく加工しやすいという特徴があり、装飾や彫刻が多い海外のお墓は大理石で作られていることが多いです。
日本ではあまり大理石のお墓はみかけませんが、お墓に彫刻をしたいといった方には加工しやすい大理石がおすすめです。
次に、良い墓石を選ぶためのポイントをご紹介します。
お墓は何世代も先まで残るものですから、年月がたってもできるだけ綺麗な状態で残って欲しいですよね。雨風に強い耐久性のある石材を選ぶようにしましょう。
御影石は、日本のほとんどのお墓が御影石で作られていることからも分かるように、耐久性が高くお墓に適した石材と言えます。
石材は水を吸収する特性があり、吸水率とは石が吸収した水の量を数値化した値のことを言います。
吸水率が低いほど水を吸収しにくい石なので、できるだけ吸水率の低い石材を選びましょう。
水を吸うと、墓石にひびが入ったり劣化の原因となったりします。
使う石材によってお墓の色が変わってきます。
一般的にはグレーのお墓が多いですが、お墓にはこの色でないとダメといった制限は特にありません。
ご自分の好みで色を選んでも問題はありませんので、いろんな石材を見て素敵な色味を探してみて下さい。
国産石材の種類と特徴をご紹介してきましたが、国産石材にはさまざまな産地と種類があります。
ここでは紹介しきれないぐらいたくさんの石材が日本では採掘されています。
御影石は特に人気があり、その中でも高級な種類は値段がとても高いですが、その分耐久性が高く、何より見た目がとても美しいです。
そこまで高級な石材でなくても国産の石材は高品質ですから、後世まで長く残るお墓を建立するためにも、まず石材にこだわってみてはいかがでしょうか。