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墓じまいにかかる費用と聞いて、まず初めに思い浮かぶのが既存の墓石の撤去処分費用ではないでしょうか。
墓石の撤去処分費用は、場所や状況によっても異なりますが、相場感としては9寸のお墓でだいたい10～15万円くらいからの価格帯が多いです。
ただし、処分する墓石が2基であれば2倍の費用、3基であれば3倍の費用というような単純な見積もり方式ではありません。
また、戒名板や物置石、拝石などの付属品や、墓地の周りの枠や玉垣の有無によっても費用は変動します。
さらに墓地を更地にする場合には、墓地の撤去処分費用も必要になります。
上記のように様々な条件に応じて費用が変わってくるため、石材店に相談して見積りをしてもらうのが確実でしょう。
墓じまいは、ただ墓石を片付ければ良いということではありません。
墓石や墓地の撤去処分費用のほか、以下のような費用が必要となります。
先ずは閉眼供養を行うお寺様へのお礼（お布施）です。
『閉眼供養』とは、墓石の撤去工事の前にお寺様に読経をしていただき、お墓から宿らせていた魂を抜いていただく儀式です。
宗派によって『魂抜き』『抜魂』『撥遣供養』などとも呼ばれます。
閉眼供養費用は地域やお寺様によって異なります。
日頃お寺様とお付き合いのない方や、遠方にお住まいでよくわからない方は、お寺様に直接ご相談されるのがいいと思います。
突然費用のことを聞くのは憚られるかもしれませんが、きちんと相談にのっていただけるはずです。
状況に応じて、離檀料が必要になることがあります。
『離檀料』とは、檀家をやめる際にお寺様にお包みするもので、これまでお墓を守っていただいたことや、お世話になったことへの感謝の気持ちを表すものです。
また、檀家としてのお寺様とのお付き合いは「個人」ではなく「家」です。
離檀については家族だけでなく親族とも十分に話し合いをして、親族の皆様にもご理解、納得いただいてから進めましょう。
親族での話し合い後にお寺様に離檀の相談をするのがスムーズでしょう。
墓じまいの後は、それまでお祀りしていたご遺骨を別の場所に移す必要があります。
移転先としては、霊園やお寺等がご遺骨を管理・供養してくれる『永代供養』や、複数のご遺骨が合同で祀られる『合祀』、ご遺骨を細かくし海などに撒く『散骨』などがあります。また、新しくお墓を建ててお祀りすることもあるかもしれません。
その移転先や方法によって、かかる費用が変わってきます。
墓じまいに必要な書類の作成や提出に費用がかかるケースがあります。
お墓が遠方でご自身での対応が難しい方や、書類作成は専門家に任せたいという場合、行政書士事務所などへの依頼費用が別途発生します。
墓じまいの費用として、既存の墓地墓石の撤去処分費用の割合が多くを占める場合があります。
墓地墓石の撤去処分費用については、信頼できる石材店に相談してみましょう。
墓じまいは費用がかかることもそうですが、同時に準備に多くの時間がかかります。焦って行うことにならないよう、余裕をもって進めていきまましょう。
そして『墓じまい』を検討される場合には、早い段階からご家族でよく相談をしましょう。
一人やご夫婦だけで悩まずに、ご両親やお子さん、ご親族とよく話し合いをされて、慎重に進めていきましょう。
