「お墓」は、多くの人にとって初めての買い物です。そのため、費用面などでわからないことが多くて戸惑う人も多いかと思われます。
今回は「お墓の値段」に注目し、お墓の値段を決める要素とその金額を押さえる方法についてお教えします。
目次
まず、「お墓の値段はどういった要素で決まるか」について大まかに見ていきます。
なおここで言う「お墓の値段」とは、「埋葬全体にかかる金額」を指すと考えてください。
「墓石そのもの」については、「墓石」とします。
お墓の値段を決めるのは、以下の4要素です。
- ・霊園(墓地)のある場所の地価
- ・霊園(墓地)の管理団体
- ・墓石の値段
- ・埋葬方法
それぞれ見ていきましょう。
お墓を建てるときは、霊園(墓地)の土地を借りて建立することになります。そのため、「霊園(墓地)のある場所の地価」は、お墓の値段にダイレクトに影響されます。
たとえば、「日本でもっとも土地代が高い」といわれている銀座の場合、坪単価が9301万8782円だとされています。
対して、地価が安いことで知られている北海道の勇払郡の厚真町などは、坪単価が21166円だとされています。その差は実に4400倍程度ほどもあります。
これはごく単純な数字での比較ですが、地価の高い都心部は霊園(墓地)の値段も高く、地下の安い地方では霊園(墓地)も安くなります。
お墓が「最後の住居」であることを考えれば、これはごく当たり前のことだともいえます。
なお家からの距離が同じくらいであっても、土地の値段がまったく異なることもあります。そのため、「霊園(墓地)の値段が高い」と感じたのであれば、周辺の霊園(墓地)の金額も調べてみるべきです。
出典:
土地代データ
霊園(墓地)は、主に
- ・営のもの(公営墓地)
- ・寺院が管理しているもの(寺院墓地)
- ・民営のもの(私営墓地)
の3つに分けられます。
「どこの団体が管理しているか」によって、お墓の値段が変わってくることもあります。
一般的に、公営の霊園(墓地)の場合は使用料金が安い傾向にあります。
これは公営墓地が、「公共のもの」「住民サービスの一環」としての性質を持っているからです。
なお公営墓地は、身元不明者や無縁仏の受け皿となることも多く、「祀られる場所のない人」のためにも利用されています。
このため、「埋葬のためのお金の捻出が難しい」ということであれば、公営墓地を探してみるのもひとつの手です。
なお生活保護を受けている人の場合は、葬祭費用を補助する制度もあるので合わせて確認してみてください。
ただし「公営の墓地ならば、寺院墓地や私営墓地の金額を超えることはない」と考えるのは誤りです。
芸能人をはじめとした著名人が眠っていることで有名な東京都立青山霊園は公営墓地でありながら、非常に使用料金が高いことで知られています。
「お墓の値段を決める要素」として、真っ先にイメージするのがこの「墓石の値段」でしょう。
墓石を建てる場合は、その墓石の値段も大きく影響してきます。
データによって多少違いはありますが、お墓の費用のうちの6割近くを、この「墓石の費用」が占めています。
このため墓石の値段をチェックすることは非常に重要です。
墓石の値段は、
- ・石材をどれくらい使うか
- ・どんな種類の石を使うか
- ・石に施す細工の細かさ
によって決まります。
石をたくさん使えば、当然墓石の費用はかさみます。
「材料費」がかかるからです。
また高価な石を使用すれば、当然墓石の総額も上がります。
なお国産の石の方が外国産の石に比べて値段がかさむ傾向にありますが、国産のものでも安いものはありますし外国産のものでも高いものもあります。
また石に施す細工が細かかったり複雑だったりした場合は、技術料もかかるため費用が高くなる傾向にあります。
私たち赤沢石材店では、お客さまのご予算に合わせて最適な墓石を提案しています。
予算がすでにあるようならば、それをお伝えください。
予算と品質、細工面のすべてで満足ができる墓石を一緒に探していきます。
現在の墓石はすばらしく、お手入れが簡単で高品質で、しかも丈夫なものも多く見られます。
価格やデザインもバリエーションが豊富なので、「最後の家」にふさわしいお気に入りの墓石がきっと見つかるはずです。
「埋葬方法」も、お墓の値段を決める重要な要素です。
たとえば、「合葬」という選択肢があります。
これは個別のお墓を持たず、ほかの人たちと一緒に1つのお墓に入ることをいいます。
すでに存在している墓石の下にご遺骨だけを埋める(一般的には、骨壺から出してご遺骨をばらして入れる)方法をとりますから、霊園(墓地)の土地代もかからず、墓石の費用もかかりません。
そのため50000円程度で埋葬が終わることもあります。
また管理費も発生しません。
ほかにも「納骨堂」という選択肢もあります。
これは屋内型の施設のなかにご遺骨を納めるやり方です。
ロッカータイプや仏壇タイプ、お墓タイプのものなど、その種類はさまざまです。
ただ総じて、「霊園(墓地)+墓石代」が基本となる一般的な埋葬方法よりも安くなる傾向にあります。
また「お墓」とは少し異なりますが、樹木葬を選ぶこともできます。
これはシンボルツリーの下に眠る方法で、自然と一体化することができます。
樹木葬の場合は墓石の代わりに木を配するため、墓石代がかかりません。墓碑などを置くことはできますが、それでも費用は大きく抑えられます。
このように、「お墓の値段」は4つの要素で決まっていきます。
これを押さえておけば、「墓石は立派なものにしたいが予算の都合もあるので、霊園(墓地)は少し遠くても安いところを押さえる」「霊園(墓地)は利便性の良い場所を選ぶが、予算の都合で合葬する。ほかの人とにぎやかに過ごすこともできるし……」などのような調整も簡単にできるようになります。