「お墓のデザイン」は、現在非常に多様化していっています。
家を選ぶようにお墓をカスタマイズできますし、自分の好きな形に作ることができます。
また、一口に「デザイン墓石」といってもその方向性はさまざまです。
ここでは、
- ・基本の形
- ・お墓の素材
- ・お墓のデザイン
の3つに分けて解説していきます。
目次
最初に解説したいのが、「お墓の形」です。
お墓の形は、以下の3つに大別されます。
- ・和型墓石
- ・洋型墓石
- ・デザイン墓石
それぞれ解説していきます。
日本に昔からある形の墓石です。
長方形の石がのせられており、念仏や〇〇家先祖代代之墓などと彫られることが多いものです。
もっともスタンダードな形であり、広く浸透しています。
ほかのお墓との調和も取りやすく、安定感のある形だといえます。
多くの人に親しまれるでしょう。
和型墓石とは対照的に、横長で作られることの多いお墓をいいます。
現在非常に人気の高い形であり、特に首都圏では人気を博しています。
「和型墓石だからこうしなければならない」「洋型墓石だからこうしなければならない」という明確な決まりがあるわけではありませんが、洋型墓石の方が比較的凝ったデザインで作る人が多いように見受けられます。
ここでいう「デザイン」とは、「個々の自由に設計したお墓のこと」だと考えてください。
和型墓石にしろ洋型墓石にしろ、この2つは「基本の形」が決まっていますが、デザイン墓石の場合は非常に自由に設計されることが多いといえます。
例えば三角錐の形にしたり、故人が愛したもの(ギターやピアノなど)の形をとったり……といったものです。
故人の個性が際立つお墓になるのがデザイン墓石のメリットですが、オーダーメイドで作ることになる場合が多いと思われますから、慎重に打ち合わせをしていく必要があります。
次に、「お墓の素材」についてみていきましょう。
お墓の素材といえば「石」ですが、実はそれ以外にもさまざまな選択肢が用意されています。
もっとも一般的な素材です。
特段の記載がない限りは、「お墓は石で作るもの」と考えて間違いありません。
基本的にはほとんどの人が石でお墓を作ることでしょう。
墓石に使われている石は、国内産と国外産があります。
一般的に国内産の方が値段が高く設定されていますが、「国内産であれば、絶対に国外産よりも値段が高くなる」とまではいえません。
その石の種類によって値段が左右されるところも大きく、希少な石の場合は値段が高くなります。
また現在は、「国外のものは品質が悪い」などとはいえないようになっています。
人工大理石でお墓を作ることもできます。
一般的な「石」で作る場合に比べるとこれを選ぶ人は少数派だとはいえますが、これを大きく取り扱っているところもあります。
人工大理石のメリットは、「二次加工も可能であること」「軽く、コストが安い傾向にあること」にあります。
また非常に大きなメリットとして、カラーリングが非常に豊富で、「石」で作るのとはまた異なった色合いの墓石を作ることができるという点が挙げられます。
数は少ないものの、この人工大理石で作られた墓碑もあります。
ガラス製のお墓にも、近年目が向けられるようになりました。
意外に思われるかもしれませんが、ガラスは非常に強い強度を持っています。
ヨーロッパで、何百年も前のステンドグラスが今もなお現役で活躍し続けていることからも、その強度が分かるのではないでしょうか。
非常に美しく、キラキラと輝く独自の見た目は、石では実現できないものです。
ただしガラス製のお墓は、どうしても値段が高くなる傾向にあります。
またガラス製のお墓はほかのお墓に比べてメジャーではなく、「ガラス製のお墓の受け入れは、景観的に統一がとれなくなってしまうので困る」という見解を示す霊園もあるかもしれません。
これを選ぶのであれば、事前に霊園に相談する必要があります。
最後に、「お墓の彫刻」を考えていきましょう。
「墓石のデザイン」のなかでも、「お墓の彫刻」は非常にバリエーションが多く、また自由度が高いものだといえます。
統一された景観を目指す霊園であっても、お墓の彫刻については寛容な姿勢をとっているところも多い傾向にあります。
彫刻のなかでも、もっともメジャーなかたちです。
「〇〇家先祖代代之墓」と彫ったり、「南無阿弥陀仏」と彫ったりします。
また、墓石とは別に、横に「このお墓に入っている人の名前」を刻んだ石を置いておくお家も珍しくありません。
非常にスタンダードなかたちであるため、多くの人に受け入れられます。
また、打ち合わせなどに時間をとられたくない人にも向いています。
自分の座右の銘や、故人に関係した言葉を彫ることもできます。
ご本人の人柄が偲ばれるお墓になるでしょう。
このかたちは、生前墓との相性が極めて良いものだといえます。
特に、「自分の好きな言葉」を一字一句間違えずに入れたいと考える人は、生前墓の購入を積極的に考えていきたいものです。
花や楽器などを彫刻するやり方です。
特に花は比較的多くの墓石でみられます。
また、楽器などのように、本人が愛していたものを墓石に彫りこんでいくのものよいでしょう。
彫刻のやり方は非常に多く、どのやり方をとるかによって印象が大きく変わってくるのも魅力です。
「いつまでも彼岸で趣味に打ち込んでほしい」「大好きだった花をめでてほしい」などの思いを込めて彫られることが多く、お墓参りをする人の心の慰めにもなるでしょう。
現在のお墓は、非常にバリエーションが豊かで、デザインにも個々人の趣味や考えが色濃く出ています。
昔ながらのスタンダードで普遍的なデザインのお墓ももちろんすばらしいものですから、いろいろと比較検討して考えていきたいものですね。