何をもって「いい葬儀」とするかは、人によって異なります。
ただ、後々思い出したときに「あの葬儀で良かった」「後悔しない送り方ができた」「まだやれることはあったかもしれないが、それでも全体としては悪くない葬儀だった」と思えることが、「いい葬儀」の条件であるといえるでしょう。
今回はこんな「いい葬儀」を作り出すための葬儀社選びと、「いい葬儀」と思える要件とは何かについてお話ししていきます。
目次
「いい葬儀」を実現するための要件は、個々のケースで異なります。
ただどんな「いい葬儀」にでも共通しているものとして、以下のような点が挙げられます。
- ・故人やご家族の気持ちを最大限反映できる葬儀だった
- ・価格と同じくらいの、あるいはそれ以上の満足感のある葬儀だった
- ・周りの人や葬儀に関わる人に対して思いやりを持って接することができ、また周りからも思いやりを持った対応をされた
それぞれ見ていきましょう。
現在の葬儀は、「故人やご家族の意向を反映しやすいもの」になっています。
画一的で伝統的な葬儀のかたちを希望することももちろんできますが、「花を飾りたい」「無宗教で葬儀を行いたい」「自宅で葬儀をしたい」などの希望も叶えられるようになっているのです。
もちろん物理的に実現不可能な要望（例：真冬の葬儀だが桜の生花に囲まれて葬儀をしたいなど）もありますが、そうではない場合は、どこの葬儀会社もできるかぎり故人とご家族の要望を実現できるようにと動きます。
葬儀は、故人にとって最後の儀式となります。
故人やご家族の希望を写し取った葬儀を行うことができれば、満足感は非常に高いものとなるでしょう。
これを実現するためには、その希望を叶えられる葬儀会社を選ばなければなりません。
葬儀は、大きければ大きいほど良いというものではありません。
予算もありますから、その予算内に収まるような葬儀にしなければいけません。
予算が低ければ、できることは限られてきてしまいます。
また規模も小さくはなります。
これはどうしようもないことです。
ただ、「無理をして分不相応な葬儀をして、大切な家族のその後の生活が立ち行かなくなること」は故人も望んではいないでしょう。
大切なことは、「予算内で、予算以上の満足感のある葬儀を行えるようにすること」です。
葬儀会社をきちんと選ぶとともに、葬儀会社の出してくる見積書をしっかりとチェックすることで、この要件をクリアしやすくなります。
肉体を持った故人との最後のお別れの場所として、葬儀があります。
大切な人を失った家族は非常にセンシティブになっていますから、周りから思いやりを持った対応をされたいと考えるはずです。
また同時に、「故人との最後のお別れの場所だからこそ、故人を愛してくれた人に対して思いやりを持って接したい」と考えることにもなるでしょう。
大切な人とのお別れは悲しいものですが、このように思いやりを持って接し、また思いやりを持って接されれば、その葬儀は「いい葬儀」になるはずです。
人の心の動きをコントロールすることはできません。
ただ、柔らかい対応をしてくれる葬儀社を選んだり招く人を限定したりすることで、ある程度は調整ができます。
「いい葬儀」を実現するためには、「いい葬儀会社」を選ぶことが重要です。
いい葬儀会社の定義や要件も数多くありますが、ここでは上記で述べた3つの要点をクリアできる葬儀会社であることを重視して解説していきます。
たとえ優秀な葬儀会社であっても、「持っている葬儀ホールの大きさ的に対応ができない」「設備と知識の問題から、対応ができないこともある」という場合があります。
そのため、「こんな葬儀にしたい」という明確な要望がある場合は、契約前に電話でそれを伝えましょう。
もっとも良いのは、生前に足を運んで相談をすることです。
なお「自宅葬をしたいが、専門の葬儀会社がない」などの場合は大手の葬儀会社に声を掛けてみてください。
価格面での不安を解消するためには、「その葬儀会社の出してきた見積もり」をしっかりと見ることが重要です。
また追加料金が発生するのか、発生する場合はどのような条件にあるときなのかも確認しておきましょう。
現在の葬儀会社は、不要なほどに大規模な葬儀プランを勧めてくることはあまりありませんが、念のため、ほかの葬儀会社にも同じようなプランで見積もりを出してもらうと安心です。
また、お布施の金額などを聞いたときに明確な返事をしてくれるところを選びましょう。
話をしたときや疑問をぶつけたときに、相手がどのように答えるかもしっかりチェックしておいてください。
もちろん人間ですから、相性の合う・合わないはあります。
しかし居丈高な態度をとられたり、利用者ファーストではない返答が頻繁に返ってきたりするようならばその葬儀社は黄色信号だといえます。
疑問に丁寧に答えてくれて、希望を引き出してくれて、思いやりを持って接してくれる担当者のいる葬儀社を選ぶことが、「いい葬儀」を実現するためのコツだと考えてください。
「いい葬儀」を行うことができれば、故人を見送ったことを思い出すときいつも穏やかな心持ちになれることでしょう。
逆に「よくない葬儀」をしてしまうと、後々まで悩むことになりかねません。
いい葬儀を行うためのポイントを押さえるとともに、それを実現できるための方法を学び、望ましい葬儀社を選ぶようにしてください。
