お墓選びではまず、お墓の石材の種類を決めるところから始まります。
石材にもいろんな種類がありますが、国産の石材か外国産の石材かでまず大きく分けることができます。
国産と外国産でどんな違いがあるのか、また外国産の石材にはどんな種類の石があるのか、ご紹介します。
国産の石材は質が良い高級品で外国産の石材は質が良くない、という話は良く聞かれますが、外国産の石材が一概に質が良くないとも言い切れず、両者ともにメリットとデメリットがあります。
まず国産石材のメリットは、日本の高い技術力を活かした品質の良い石材が多いという点です。
石の掘削と加工には職人の技が必要ですが、日本の職人さんの技術は外国と比べても高い方だと言えるでしょう。
一方デメリットとして、価格が比較的高めのようです。
外国産石材のメリットは、国産に比べて価格がかなり抑えられる傾向にあるという点です。
一方のデメリットですが、石の品質が一定ではなく、良い石もあれば、粗悪な石もあるようです。
石の良し悪しは素人が一見しただけでは判断がつきにくいので、信頼できる石材店さんに相談するのが良いでしょう。
では、日本以外の石材産出国とはどんな国があるのでしょうか。
まず日本に輸入されてくる外国産石材の大部分を占めるのが中国産です。
中国の石材は日本で採掘される石材と見た目が似ていてお手頃な価格のため人気があります。
日本よりも長い石材採掘の歴史を持つインドでも、さまざまな種類の石材がとれます。
特に、黒や赤など色の濃い石が多く、薄い色合いが多い国産石材にはない特徴があります。
その他にはブラジルやウルグアイなどの南米、スウェーデンやイタリアなどのヨーロッパでも石材が産出されます。
それでは各国の石材の種類を具体的にご紹介します。
福建省が原産の御影石です。
石を切り出す場所のことを丁場と言いますが、G654は福建省の中でもいくつかの丁場で採掘されるため、G654の後に各丁場の名前がついています。
例えばG654平和、長泰、角美などといった具合です。
色味はグレーで、やや水を吸いやすいため雨に濡れた色が残りやすく、白い線や白い玉が出やすいという特徴があります。
山西省が原産の御影石です。黒い色の中に白の模様があり、和型墓石にも洋型墓石にも良く使われる石です。
吸水率が低くて硬度が高いという品質の良さがありながら、値段も安いため人気のある石の一つです。
河北省が原産の御影石で、国産の山崎石に似ているためこの名前で呼ばれています。
伝統的な日本のお墓らしい落ち着いたグレーの色合いが墓石として使いやすく、価格が安いため人気の高い石材です。艶の持ちがよいという特徴があります。
デカン高原で採掘される高級黒御影石です。
世界で最も硬い黒御影石と言われるほど耐久性に優れており、年数が経っても劣化しないと言われています。
こちらもデカン高原が原産の赤御影石です。
世界で最も赤い石と言われる程の赤い色合いが美しく、洋型墓石やデザイン墓石に最適な石材です。
硬度がかなり高く加工の難しい石です。
スウェーデン産石材の代表とも言える最高級黒御影石です。
吸水率・硬度のどれをとっても世界一の石で、これ以上の黒御影石はないと言われる程の高級石材です。
大変人気のある石で生産量が不足しているため、外国産でありながら価格は高額です。
赤みの強いものは劣化が早いので注意が必要です。
外国産の石にもいろいろな種類がありますが、共通しているのは国産の石よりも値段が安いという点です。
値段が安いということは質も悪いのではないかと考えてしまいますが、実はそうではありません。
外国産の石材が安い一番の理由は、人件費の安さです。日本に比べて人件費にかかる費用を抑えられるため、石の価格も安くすることができます。
また日本の石が高いのは、品質が良いからだけではなく、年々産出量が減ってきているため流通価格が高騰しているという理由もあります。
その点、中国やインドは日本よりもはるかに広い国土で豊富な産出量があるため一定した価格で販売することができます。
そしてそもそも石材は自然が作り出した資源ですから、原産国によって品質の良さが左右されることはありません。
ここまで外国産石材についてご説明しましたが、外国産石材も国産石材に引けを取らない良質な石です。
食品偽装などの問題もあり、中国産と聞くだけで質が悪いのではないかと思ってしまいますが、石材に関してはそのようなことはなく、安くても質のよい石材が揃っています。
国産と外国産のどちらが優れているというわけではないので、ご自分の価値観や予算に合っている石材を選ぶのが一番ですね。