葬儀社をひらくことに、特段の資格は必要ありません。
また「葬儀」は(儀式の形態をとるにせよとらないにせよ)誰もが行う必要のあるものです。
そのため、葬儀を扱う葬儀社は非常にたくさんあります。
どの葬儀会社を選べばよいかを迷う人もいることでしょう。
ここでは、「それぞれのケースに合わせた葬儀社選び」に注目し、おすすめの葬儀社の傾向を説明していきます。
今回取り上げるのは、以下のような葬儀に対応している葬儀社です。
- 社葬
- 一般葬
- 家族葬
- 日本ではあまり見られない宗教
- オリジナル祭壇と花祭壇
目次
「社葬」は、会社をあげて行う葬儀です。
その規模は非常に大きく、場合によっては数万人もの人が参列することもあります。
一般的な葬儀に比べて参列者が多くなるため、広いホールの確保が必須となります。
場合によってはロビー部分に椅子を並べてスクリーンを用いて式場の内部を映し出すなどの工夫が求められることもあります。
また、社葬は公的な性格を持つため、万が一にも失敗があってはいけません。
このため、葬儀社側にも相応の知識と経験が求められます。
このようなケースに対応できるのは、やはり、大手で施行件数の多い大手の葬儀社です。
1000人~を収容できる自社セレモニーホールを持っているところが望ましく、1級葬祭ディレクターを抱えているところにお願いしましょう。
また、事前に「社葬の施行経験があるか」「あるのならば年間どれくらいの件数か」を確認することも重要です。
一般葬は、「一般葬」というだけあって、多くのところで施行が可能です。
ただし「家族葬専門」としているところは省きましょう。
一般葬の場合は選択肢が非常に広くなります。
大手の葬儀社も一般葬を手掛けていますし、地場に根差して仕事をしている地元の葬儀社もこれを扱っています。
この「選択肢の多さ」は時にご家族(や終活の一環として葬儀社を探している人)を迷わせますが、まずはその葬儀社の「評判」に注目してください。
大手の葬儀社ならばクチコミが出てくるでしょうし、地元に根差した葬儀社ならば周りの人から評判を聞けるはずです。
なお、ちょっとした裏技ではありますが、「ここでお願いした〇〇さんから、とても丁寧に対応してくれたと聞いたので」などのように言い添えると、より丁寧な対応をしてもらえる可能性が高くなります。
見積もりが適正で明確かなども見ていきます。
また、対応の良し悪しもしっかり見ましょう。
祭壇のデザインなどにこだわりがある場合は、そのデザインに対応してもらえるかを確認することも重要です。
「家族葬」は、現在非常によく知られた選択肢となりました。
大手の葬儀社であっても、中小の葬儀社であっても、家族葬を扱っていないということはまずありません。
また、「社葬専門の葬儀社」「一般葬専門の葬儀社」はありませんが、「家族葬専門の葬儀社」はあります。
大手の葬儀社ならば安定した家族葬が見込めますし、家族葬専門の葬儀社ならば家族葬に特化しているということでより細やかな気配りが望めることもあります。
このため、家族葬を希望する場合は、ほかのどの葬儀よりも選択肢が広くなると考えてよいでしょう。
また、家族葬の場合は一日葬や直葬も選択肢に挙がってきますが、これもどのような葬儀社でも対応可能だと考えて構いません。
家族葬のなかでも自宅葬を希望している場合は、自宅葬の施行経験のある葬儀社に頼むと安心です。
ヒンズー教やイスラム教などの、日本ではああまり見られない宗教の葬儀を希望している場合は、葬儀社選びが非常に重要になってきます。
一番安心なのは、「過去に、該当する宗教の葬儀を行ったことのある葬儀社を選ぶこと」です。
この場合その葬儀社には該当の宗教の葬儀に対する専門的な知識があるということになるため、信頼ができます。
ただそれなりに大手の葬儀会社であっても、「日本では珍しい宗教の葬儀に関しては、取り扱ったことがない」という場合もあります。
また、住んでいる近くの葬儀社のなかで、該当する宗教の施行経験のある葬儀社が見つからない……といったケースもあるでしょう。
その場合は全国展開をしている大手の葬儀社に、とりあえず相談に行くことをおすすめします。
例え、「自分の住んでいる近くの葬儀社」では経験がなくても、別地域の葬儀社が施行経験があるかもしれないからです。
まず初めに言っておきますが、「花祭壇」を扱わない葬儀社は現在はほとんどないといえます。
花祭壇は非常に人気のあるものであるため、小さな葬儀社であってもこれを取り扱っています。
もちろん家族葬専門の葬儀社であっても花祭壇をつくることができますし、ある程度要望も聞いてもらえます。
そのため、「花祭壇専門のところでなければ、花祭壇は作ってもらえない」と考える必要はありません。
ただ、「花祭壇専門業者です」「元々花屋であり、葬儀社でもあります」としているところの場合、花の品質がよく、また花の扱いに慣れているケースが多いといえます。
「花祭壇以外は考えていない」という場合は、このような花祭壇専門の葬儀社に頼むのもよいでしょう。
現在はどこの葬儀社もある程度希望を聞いて祭壇を作ってくれますが、「祭壇を設けない」「ガーデニング風の式場にしたい」などの、極めて個性的でオリジナリティに富んだ空間づくりをしたいのであれば、デザイン祭壇などを手掛けている葬儀社に頼むのもおすすめです。
この場合は、「祭壇」だけでなく、「葬儀会場の空間」全体の施工事例を見せてくれる葬儀社にアクセスするとよいでしょう。
葬儀社は、単純に「良し悪し」で判断できるものではありません。
自分の希望とする葬儀を作り上げてくれる葬儀社を見つけていくことが重要なのです。