「お墓探し」は、非常に重要なことです。多くの人にとってお墓は、一生に一度しか建てないものだからです。
またお墓はとても高いものでもありますから、一度建ててしまえばなかなか建て替えることができません。
そのためお墓探しは、慎重に行わなければなりません。
ここではお墓探しのポイントと、お墓探しの手助けとなる知識をお伝えしていきます。
目次
お墓探しをするときにまず真っ先に考えるべきは、「宗教・宗派」です。
公営や民営の霊園の場合、そのほとんどが「宗教・宗派不問」としています。
そのため、どんな宗教・宗派の人でも(また無宗教の人でも)入ることができるようになっています。
対して寺院墓地の場合は制限が設けられていることも多く、「在来仏教に限る」「生前の宗教・宗派は問わないが、ここのお墓に入った場合は供養はその寺院の宗派に従ってやっていく」としているところが大半です。
また、檀家になる必要のあるところも多いといえます。
このため、寺院墓地を希望する場合は、特に宗教・宗派をきちんと見なければなりません。
新興宗教などの場合は特に制限が厳しい傾向にあるので、しっかりと確認しておきましょう。
もし、「宗教・宗派不問のところでも、ほかの宗教を信じている人と一緒に眠るのは嫌だ」などのように考えるのであれば、自然葬などを検討した方がよいでしょう。
なおキリスト教では火葬は基本的に避けられますが、日本ではキリスト教徒であっても火葬で埋葬することになります(一部の特例は除く)。
お墓探しをするときのポイントの2番目に挙げるのは、「場所とアクセス」です。
お墓参りに頻繁に行きたいと考えるのであれば、近場のところで探す必要があります。
またお墓は、一度建ててしまえば基本的には動かさないものです。
そのため年齢を重ねてからでも行きやすい、アクセスの良い場所にあるところを選んだ方がよいでしょう。
文字の上だけで見ている場合と、実際に足を運んだときでは受ける印象が大きく異なります。
このため必ず現地に自分の足で行ってみて、行きやすいところかどうかを確認するようにしてください。
またこのときには霊園の状況も確認をして、バリアフリー化がされているかなどもチェックしておくようにしてください。
上で「樹木葬」のことを取りあげましたが、「どんな埋葬方法を選ぶか」も非常に重要です。
個別のお墓を建て、そこに埋葬する方法です。もっとも一般的な方法であり、「自宅でくつろぐようにお過ごしいただける」というメリットがあります。
ただしお手入れの手間がいりますし、費用もかかります。
現在の自然葬は、「樹木葬」と「海洋葬」の2つに大別されます。
樹木葬はその名前の通り、シンボルツリーなどの下に埋葬する方法です。
海洋葬の場合、フェリーなどで出かけて海にご遺骨を撒きます。
樹木葬は継承を必要としないことが多く、海洋葬の場合は継承は一切行いません。
費用は比較的安くて済みますが、基本的には改葬はできないものと考えてください。
「ご遺骨のマンション」などのように呼ばれることもあります。
室内にご遺骨を納めるかたちで、天候に左右されずにお参りできるのが魅力です。
また清掃なども納骨堂のスタッフが担当してくれます。
さまざまなタイプが用意されており、簡素なものから墓石を用いることのできるものまであります。
値段の差が大きいので、どれにするかの精査をしなければなりません。
一般的な霊園でも樹木葬でも納骨堂でも、「合葬墓」が用意されていることが多いといえます。
これはほかの人と一緒にご遺骨を納める方法で、もっとも費用が安く済む方法でもあります。
また、お墓を継承する必要もありません。
ほかの人とご遺骨が一緒になるということで精神的な抵抗が起こりやすかったり、改葬が不可能であったりする点がデメリットです。
この3つの点は、お墓探しをするうえで非常に重要なものです。
ただ初めてお墓探しをする人にとっては、このような知識があってもなかなか選ぶのは難しいものです。
そこでここからは、お墓探しの手助けをしてくれるものについて紹介していきます。
葬儀会社や石材店のなかには、お墓探しを手伝ってくれるところもあります。
信頼できる葬儀会社・石材店があるのであれば、ぜひ頼ってください。
葬儀を挙げた葬儀会社ならばそのご家族の考え方や宗教を把握していますし、石材店ならば「その墓地に合うお墓はどのようなものか」までを把握しています。
また葬儀会社や石材店は地場の情報に強いため、「その葬儀会社・石材店がある土地にお墓を建てたい」というときには特に強い味方になります。
インターネットでは、霊園の紹介を行っているサイトがあります。
サイト訪問者の希望の条件を打ち込めば、その条件に合致する霊園をいくつも紹介してくれるのです。
家にいながら複数の霊園の情報を手に入れることができるため、忙しい人にも向いています。
また、「まったく絞り込めていない!」という人にとっても手助けとなるでしょう。
クチコミを見るのも有効です。
実際にその霊園を利用している人のクチコミが寄せられていることが多いため、その霊園の対応を知ることにも役立ちます。
ただこの方法は、「ある程度候補を絞り込めた後に」使う方法だといえるでしょう。
また、どれだけ良い霊園であっても、小規模な霊園などの場合はクチコミが寄せられていないこともあります。
その場合は、近所の人などからのクチコミを参考にしたいものです。
このように、お墓探しにはさまざまなポイントと手助けをしてくれるサービスがあります。
しかしそれでも、最後の決定打となるのは「自分がその霊園に足を運んでみたときの感想・感覚」です。
このため、情報だけで判断することはせず、必ず一度は自分でその候補となる霊園に行くようにしてください。