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家族葬の方法 そのメリット・デメリットとは?

近年、「家族葬」と呼ばれる葬儀のかたちが増えてきています。
この「家族葬」の特徴と、メリットデメリットについて解説していきます。

家族葬の方法

家族葬とは、家族が声を掛けた人だけが集まる葬儀のこと

家族葬とは、「残された家族(喪家)が声を掛けた人だけが集まり、故人を見送る葬儀」のことをいいます。

一般葬の場合は、新聞にお知らせを出したり会社に訃報を告げたりして、一般の参列者も受け入れて行います。
しかし家族葬の場合は、新聞などにはお知らせを出しません。
また、忌引きの都合があるため会社や学校に訃報を知らせはしますが、このときには「家族葬で見送らせていただきます」と告げます。
これによって、「参列はご遠慮ください」と伝えるのです。

家族葬の参列者は、「喪家が声を掛けた人」だけに限られます。
基本的には、

  • ・同居の家族
  • ・故人あるいは喪家の人と繋がりのある親戚
  • ・故人もしくは家族と家族同然の付き合いがあった人、あるいは故人のエンディングノートなどに「この人に連絡をしてほしい」という記載があった人

しか、参列しません。
ただ、「お知らせも何も出していないが、当日になって葬儀会場に来た人」については参列は断らず、受け入れるのが一般的です。

このような特徴を持つため、家族葬は原則として非常にこぢんまりとしたものとなります。
ただ、「非常に著名な人であったため、一般葬で見送った場合は1000人以上が来ることが見込まれる。
親しい人に限った場合でも、50人程度は来ることになる」などのように、「比較的大規模な人数の家族葬」が行われる可能性もゼロではありません。
いずれにせよ、家族葬の場合は「身内だけを呼んで行う葬儀」だと考えてください。

この特性は、「一日葬」「直葬」とも相性が良いものだといえます。
一日葬とは通夜をせずに、葬式・告別式だけを行うものです。
対して直葬とは通夜も葬式・告別式も行わず、火葬のみを行う(宗教者を呼ばない確率も極めて高い)葬儀のかたちを指します。
「一般葬の場合、一日葬や直葬は絶対に選んではいけない」とはいえませんが、基本的には一日葬や直葬が選ばれるのは家族葬の場合のみだと考えてよいでしょう。

家族葬のメリットについて

ここからは、家族葬のメリットについてみていきましょう。
メリットは大きく分けて下記の3つです。

  1. 気の置けない人だけで、故人をゆっくりと見送ることができる
  2. 時間的・精神的負担が少ない
  3. 葬儀の費用辞退は安く抑えられる

それぞれ見ていきましょう。

気の置けない人だけで、故人をゆっくりと見送ることができる

家族葬に参列するのは、故人や喪家と仲が良かった人だけです。
小規模な葬儀になることが普通であるため、参列者の対応に追われることもなく、お別れまでの時間をゆっくりと過ごすことができます。
人が亡くなってから火葬が行われるまでの時間は2日~1週間(※1週間かかるケースは、年末年始で火葬場の空きがないなどの特殊なケース)しかありません。
この期間を過ぎれば、「肉体を持った故人」の姿は永遠に失われてしまいます。
その短い時間を、ゆっくりと、気の置けない仲間とともに過ごすことができるのです。

時間的・精神的負担が少ない

1とも関連することですが、参列者の対応に追われることのない家族葬の場合、精神的負担が少ないといえます。
また特に、「子どもを亡くした」などのようなケースでは、一般葬にすることでその子どもの同級生や小さなお子さんを抱えたご夫婦が参列することになります。
これはもちろん弔意を示すためなのですが、「自分の子どもを失ったばかりなのに、ほかの子どもの姿を見るのが辛い」などのような場合は、家族葬を選んだ方が良いケースもあります。

また、家族葬の場合は時間的な負担も少なくなります。
参列者が少ないため焼香の時間も短く済みますし、場合によっては会食などを行わずに解散することも可能です。
「すでに体の調子が悪く、長い儀式には耐えられない」「精神的なショックが著しくひどく、早く切り上げた方が良い」といった理由があるのであれば、家族葬を選ぶのもひとつの手です。

葬儀の費用辞退は安く抑えられる

葬儀にかかる費用は、基本的には「規模」に比例します。
規模が大きければ大きくなるほど、費用はかさみます。
しかし家族葬の場合は小規模な葬儀となるため、葬儀の費用自体は抑えられます。
70万円程度(お布施コミ)で行えることが多いといえますし、宗教者を呼ばないものであれば30万円~50万円程度におさめることもできます。

家族葬のデメリット

数多くのメリットがある家族葬ですが、デメリットもあります。

  1. 「呼ばれた、呼ばれなかった」でもめる可能性がある
  2. 葬儀後の弔問に時間をとられる
  3. 費用の負担が大きくなる可能性もある

「呼ばれた、呼ばれなかった」でもめる可能性がある

家族葬において一番問題になりやすいのがこのあたりです。
家族葬の場合、「家族が声を掛けた人」しか参列できません。
そのため、「お別れを言いたかったのに呼ばれなかった」「親しく付き合っていたと思っていたのに、Aさんは呼ばれて私は呼ばれていない」などのような気持ちを抱く人が出てくる可能性があります。
また、「小さな葬儀でかわいそうだ」と親族から声が上がる場合もあります。

葬儀後の弔問に時間をとられる

家族葬に呼ばれなかった人は、弔意を示すために、後日お参りに行きたいと希望してくる場合もあります。
これは大変ありがたいことなのですが、一般葬のように「大勢の人の弔意を、1日で受け止められる場合」とは異なり、毎回一人ひとりに対して対応しなければならなくなります。
このため、時間がとられます。

費用の負担が大きくなる可能性もある

上でも述べたように、家族葬の場合は「葬儀の費用」自体は安くなります。
しかし一般葬の場合ならば寄せられる不祝儀も、家族葬の場合はぐっと少なくなります。
また、家族葬の場合は最初から「不祝儀は辞退します」とすることもあります。
葬儀にかかる費用は「実際にかかった費用―不祝儀の金額」となりますから、家族葬の場合は「葬儀の費用自体はたすかに安かったが、不祝儀をほとんど受け取らなかったので、結果的には費用の負担が大きくなった」などのような状態になることもあります。

家族葬にも一般葬にも、良いところと悪いところがあります。
これを把握したうえで、お見送りの仕方を選んでいきたいものですね。

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