「お盆の時期はよく家族みんなで墓石の掃除をしに行っていた」
「地元に戻ると、挨拶がてらお寺に行って、そのときに墓石の掃除をする」
「近所に先祖代々のお墓があるので、墓石の掃除はほぼ毎日やっている」
「墓石の掃除をしたいけれど、遠くてなかなか……」
このように、「墓石の掃除」を「どこまで、どんな風にやるか」はご家庭ごとによって異なります。
物理的に距離があれば墓石の掃除のために地元に頻繁に帰るのはなかなか難しいでものではあります。
しかし、地元に帰った時などに墓石の掃除を行うことは、ご先祖様に向き合うことにもつながります。
ここでは、「墓石の掃除」に焦点をあてて、そのやり方などを解説していきます。
目次
墓石の掃除を行うときの手順について解説していきます。
なお、「墓石の掃除」としていますが、実際には墓石だけを掃除することはなく、
「自分の家のお墓が建っているスペース」のすべてを掃除することになると考えてください。
【持っていく物】
- ・軍手やゴム手袋
- ・ほうきとちりとり
- ・スポンジ
- ・洗剤(※お墓に使えるものかどうかを必ず確認すること)
- ・ぞうきん
- ・バケツ
- ・ゴミ袋
- ・歯ブラシ
【持っていった方がよい物】
- ・鎌
- ・シャベルやザル
- ・はさみ
- ・たわし
頻繁にお墓に足を運んでいる場合は、鎌などは必要ないこともあります。
ただし持っていった方が無難です。
次の項目からは、墓石の掃除のやり方を解説していきます。
まずはほうきとちりとりを使って、墓地の周りを掃き清めます。
「頻繁に墓石の掃除をしに墓地に足を運んでいる」「3日に1回はお供えを持っている」という場合は、この掃除であらかたきれいにできるでしょう。
なお、このときに掃除をするのは「自分の家の墓地」だけにしておくべきです。
親切心からであっても、お隣の家のお墓のところを掃除するのは控えるべきです。
霊園側である程度手入れをしていることも多いのですが、屋外にあるお墓の場合草などが伸びてきていることもあります。
これらもきちんとお手入れをしましょう。
抜いたり、鎌で切ったりして処理をしていきます。
シャベルなどがあると便利です。
必要に応じて剪定も行いますが、けがをしないように注意してください。
墓地の周りの掃除が終わったら、お墓を洗っていきます。
この時は、掃除の基本として、「上から順番に」洗っていきます。
洗剤を使っても構いませんが、洗剤は必ず墓石用のものを選びます。
「どんなものを選べばよいかわからない!」という場合は、墓石を購入した石材店に問い合わせをして、その墓石に合った洗剤を紹介してもらうのがよいでしょう。
また、使用量や使用方法についても十分に気を付けてください。
彫刻部分や線香立て、花瓶などは汚れやすいものです。
歯ブラシで丁寧に磨いてください。
なお「汚れがひどいのでたわしでこする」という場合は、特に力加減に注意をして行ってください。
洗剤が残っていると、墓石が傷みやすくなります。
そのため、きちんと洗剤を洗い流すようにしてください。
洗い流す際も、上から下に向かって水を流していきます。
彫刻部分などの細かいところは特に洗剤が残りやすいので、意識してしっかり落とすようにしてください。
水分をふき取っていきます。
乾いたぞうきんを使って磨き上げていきましょう。
小物類もきちんと拭き上げます。
特に線香立ての場合、水気が残っていると線香が湿って使えなくなってしまいます。
水分をしっかりと拭き取ることで、墓石を汚す原因となる水垢やコケが生えにくくなります。
ぞうきんは複数枚用意し、きっちりと墓石や小物類から水気をぬぐいとりましょう。
掃除を最後まで行ったら、花瓶に水を入れて新しくお花を供えます。
また、せっかくお墓に来たのですから、墓石の掃除だけで終わらせずに、線香などをあげてご先祖様に向き合うとよいでしょう。
供物も捧げて構いませんが、現在は供物に関しては「食べ物類は持って帰ってください」としている霊園が大半ですから、お供えをした後は持って帰るようにしてください。
これによって、鳥害や虫害が起こらないようにしているのです。
片付けをして帰ります。
墓石の掃除に使う道具は家から持ってくることが多いかと思われますが、共用の道具を使った場合はさっと洗って帰すなどの気遣いをしたいものです。
墓石の掃除を行うことはご先祖様と語り合う時間を持つことにもつながりますが、「遠方に住んでいるのでなかなか来ることができない」という人もいるでしょう。
そんな人は、以下のやり方を検討してください。
「墓石の掃除」で難関となる「草むしり」の手間を軽減するための方法です。
除草剤や玉砂利を使って、草を枯らしたり、草が生えてくることを妨害したりしましょう。
また、除草シートの導入も考えたいものです。
屋外に墓所を持っていると、どうしても汚れやすくなります。
そのため、「今から新しくお墓を建てようと思っている」という人は、納骨堂などを検討するのもよいかもしれません。
また、改葬というかたちで納骨堂に移すこともできます。
プロに頼む場合、「墓石の掃除を代行してもらう」ケースと「墓石の掃除を徹底的にやってもらう」ケースに分類されます。
前者は、個人が行うような墓石の掃除を代行してくれるサービスです。
遠方に住んでいる人や忙しい人にとっては非常にありがたいサービスだといえるでしょう。
後者は、個人ではできないような徹底掃除(墓石のクリーニングなど)を行ってくれるサービスです。
日常的にお願いするものではありませんが、「〇周忌のタイミング」などで使うと美しい墓石がよみがえります。